新型コロナウイルス収束後の世界を見据えたデータ・ガバナンスの向上とeディスカバリー(電子情報開示)対応

SeagateのLyve大容量ストレージのエコシステムは、法律業界が長年に渡り抱えてきた問題を解決へと導きます。

目次

新型コロナウイルスの影響でデータ・ガバナンスとeディスカバリーを取り巻く状況が様相を変える中、法律の世界は変革を進めています。

データ・ガバナンスには、情報に関する権利を管理することで、コンテンツの機密度に応じてデータを識別し分類することが含まれます。アクセス権とデータロス予防機能の管理も網羅し、例えば暗号化、人工知能 (AI) による機密情報の自動ラベリング、ウォーターマーク、ビジュアル・インジケータによって、保存中、使用中、および移動中のデータを安全に保護します。また、文書の検索機能を改善し、情報を見つけやすくします。

法律(2014年Federal Information Security Modernization Actを参照)では、データ・セキュリティには重要な3要素を維持するためのシステムが必要だとされていますが、データ・ガバナンスを通じてそうしたデータ・セキュリティ環境を育むことができます。その3要素とは、(a) アクセスと開示に対して正式に制限を設ける「データの機密性」、(b) 不適切な改ざんや破壊からデータを守り、情報の否認防止と真正性を確保する「データの完全性」、そして (c) 必要なとき確実にデータにアクセスし、それを利用できるようにする「データの可用性」を指します。

法律家、弁護士、パラリーガル、さらには国と地方の裁判所は、リモートでのやり取りが主流になると考えられる新型コロナウイルス収束後の世界を見据えて、裁判の手続きや方法、開示データの提供に関する変更に備え始めています。従来通り厳格なデータ提出期限を守ることが期待される一方で、多くの人は自宅に閉じこもって仕事をしています。そうした状況下でも変わらず法律を順守し、電子情報開示参考モデル (EDRM) のガイドラインに従うことが大きな課題とされます。

EDRMの流れにおける最初の段階が、情報管理、すなわちデータ・ガバナンスです。このことは、参考モデルにおいてデータ・ガバナンスがいかに重要であるかを示しています。良好なデータ・ガバナンスは、データの検索、探索、保護の土台を作り、優れたeディスカバリー対応へと導きます。2015年、アメリカ合衆国連邦民事訴訟規則 (FRCP) 第37(e)条が改正され、電子保存情報 (ESI) の保全に対しても合理的措置を講じることが義務化されました。この要件により、データ・ガバナンスの重要性がより一層認識されることとなりました。新たな規則のもとでは、ESIの喪失によって相手方当事者に不利益が認められた場合、ESIを紛失した当事者はESI保全のための合理的措置を怠ったものとして制裁を科される可能性があります。スマートで優れたデータ・ガバナンスによって、法律の要件に準拠することができます。

データ・ガバナンスの管理に適した大容量データ・ストレージ・ソリューション

eディスカバリーに関連して弁護士が直面する数多くの問題の中で、最も喫緊の課題は審査に使用するデータの転送とホスティングです。分散した環境でのリモートワークは、多く課題を生み出しています。安全な専用ネットワークでの帯域幅不足が問題をさらに悪化させており、たやすく克服することはできません。データ転送には多くの時間と労力が必要であり、それがEDRMのデータ収集段階に悪影響を及ぼします。同様に、データ審査前の保全段階と処理段階について定めたEDRM要件も大きな課題となっています。保存中のデータに対する暗号化要件と安全な保管について厳格に定められているからです。

eディスカバリーが適用される一般的な訴訟において、当事者は例えば (a) ローカル・ドライブ、ネットワーク共有、電子メールからのアクティブデータ、(b) クラウド・システム、(c) モバイル・デバイス、(d) オフラインの情報源、(e) バックアップ・データ、そして (f) 古いデータ・ストレージ・システムなどの「すぐにアクセスできない」領域に保存されているデータ(FRCP第26条に基づく)をはじめとして、多種多様な情報源を目の当たりにします。そうした情報源からのデータ収集には専門知識が必要です。

収集したデータは、改ざん防止機能を備えた安全な場所まで、セキュリティ状態を維持しつつ高速で移動させなければなりません。この後には、保全や処理、続いて審査の段階が待っています。多くの場合、こうしたデータセットはサイズが大きく、数百ギガバイトを超えたり、場合によってはテラバイト規模に達したりすることもあります。そこで何よりも重視されるのは、データの機密性を保持することです。データは、訴訟や第三者に対する召喚状での開示請求に応じて収集されるため、通常、極めて機密性の高い情報が含まれています。そうしたデータには、保存時および送信中に高度な暗号化が必要です。

幸い、Seagateの新しいLyve大容量データ・ストレージ・プラットフォームがこの問題を解消します。

Lyveのエコシステムは、大容量のエッジ・データ転送とフリクションレスなクラウド・ストレージに対応する包括的なソリューションを提供します。Lyve Mobileの「サービスとしてのデータ転送」とLyve Cloudの「サービスとしてのストレージ」は、特にeディスカバリー関連のニーズをはじめとして、法律業界の抱える大きな問題に対処します。Seagateは自社の自己暗号化ドライブ技術を活用し、安全かつ高速で信頼できるデータ転送サービスを提供することで、ほぼリスクなしでデータを転送できるようにします。データの機密性完全性可用性を常に維持しつつ、データ・ガバナンスの重要な目的を達成できるようサポートします。Lyve大容量データ・ストレージ・プラットフォームが誇るモジュール式のビルディング・ブロックは、様々なデータ・ストレージ要素で構成されており、それがまるでパズルのピースのようにぴったりと組み合わさることで、互いにシームレスに連動します。

厳格なセキュリティ基準を満たす、柔軟な無限のクラウド・ストレージ

Lyve Cloudは、クラウド・ストレージへの新たなアプローチを提案します。常時オンの可用性と世界クラスのセキュリティに加えて、ユーザーは高い柔軟性を手に入れ、使用した分だけ料金を支払う予測可能な料金体系で、いつでも必要なデータだけを自由に保存することができます。一般的なクラウド・サービスではデータの追加と削除に際して追加料金が発生しますが、Lyve Cloudでは、保存するデータ量を必要に応じてリアルタイムで拡張および縮小でき、イングレス料金やエグレス料金は発生しません。訴訟中は必要とされるデータの範囲と量が予告なしに変更されることが多いため、こうした点からも、Lyve Cloudはeディスカバリー関連の問題に対応する理想的なソリューションだと言えます。法律事務所やeディスカバリーのベンダーといった企業が抱えるもうひとつの課題として、外部データを自社のシステムに取り込むことで、サイバー犯罪やマルウェア感染のリスクが高まることが挙げられます。Lyve Cloudは、企業が通常業務で使用するシステムとデータとを切り離すことで、この問題を解消します。また、Lyve Cloudに保存されているデータは、保存中も移動中も常に暗号化されているだけでなく、オブジェクトの不変性によってランサムウェアや破損、削除から守られています。

Seagateは、データの保管要件を満たし、かつデータが様々な場所やデータ領域を移動してもその起源をたどることができるような方法でデータ転送を管理します。SeagateのLyve Mobileの「サービスとしてのデータ転送」は、大容量ドライブを使用して、エッジからクラウド、さらにはあらゆるデータセンターへと大量のデータセットを機密性の高い方法で安全に移動するための方法を提供しています。本サービスは、大量の概略図ファイルを当事者の法律事務所に送信し、裁判所命令に基づく調査のためそこでホスティングすることが求められる特許訴訟において特に有益です。

Lyveのエコシステムは、「どのシステムにも合う万能なシステムは存在しない」という認識のもとで設計されています。例えば、Lyve Mobile Shuttleでデータを収集するリモートユーザーがいれば、データをクラウドまたはオンプレミスのサーバーからLyve Cloudに直接ストリーミングすることもあります。こうしたすべての状況で、データの起源、保管要件、セキュリティを常に維持します。法的な手続き、審査と分析、提出のためにデータをLyve Cloudでホスティングすることで、データのフィルタリングとセットアップをスムーズに開始することができます。Seagateはまた、Lyve Managed Migrationサービスを通じて、古いデータの復元および保全サービスも提供しています。ここでは、古いデータをLyve Cloudで簡単にホスティングでき、企業は各種AIツールを実行して洞察を引き出し、裁判所や相手側の弁護士に提出する前に推論を立てることができます。

たとえシンプルなストレージ・サービスのAPIを使ってデータをストリーミングしている最中でも、また、Lyve Mobileシャトルを使用している間でも、Lyve Cloudにアップロードするまでのライフサイクル全体を通して、データの可視性と透明性が守られます。Lyveのエコシステムは全体として統一されており、追加的なシステム要件なしに、ほぼ即座にデータにアクセスすることができます。

Lyveストレージ・プラットフォームには、データ転送とデータ・ホスティングに関して不透明な点が一切ないため、データ盗難に対する不安が解消されるだけでなく、期限の差し迫った訴訟やあらゆるデータ・ガバナンスの場面でeディスカバリーに対応することができます。

Lyveの詳細については、こちらをご確認ください。