人工知能 (AI) の時代が到来し、生成されるデータ量とストレージへのニーズが急増しています。AIモデルの複雑化とアプリケーションの拡大に伴って、信頼性の高い大容量データ・ストレージ・ソリューションに対する需要がかつてないほど高まっています。
業界で初めてプラッタあたり3TBの記録密度を実現したMozaic 3+技術を搭載したSeagate Exosシリーズ・ハードディスク・ドライブは、最前線に立ってこの課題に対応しています。進化と拡大を続けるAIワークロードに必要な大容量を実現したMozaic 3+技術は、次世代のデータ・センターとクラウド・アーキテクチャへの道を開きます。
AI中心のストレージ・ソリューションへの需要が増大。
AIが各業界に急速に導入されたことで、生成されるデータがかつてないほど爆発的に増加しています。最新のAIモデルは、以前のモデルよりも大規模かつ複雑になっているだけでなく、はるかに膨大な量のデータを生成、消費、複製しています。最近の分析によると、AIモデルの数は毎年倍増しており、AIが生成するデータ量は2028年までに167倍になると予想されています。
AIデータの膨大な増加に対応することは、単に技術的な現象に対処することではありません。AIの進歩が人類にもたらしうる多大な恩恵を実現することでもあります。AIはすでに、世界で最も差し迫った課題の領域でその価値を証明しています。AIによる膨大な生物学的データセットの分析によって、がん研究や創薬が高速化されているため、科学者はかつてないほど迅速に潜在的な治療法を特定できるようになりました。気候科学の分野においては、AIは災害予測を改善し、より正確な予測を提供することで、洪水や干ばつなどの自然災害の影響を軽減するのに一役買っています。こうした進歩は、人命を守るためだけでなく、より良い準備および対応戦略を実現するためにも極めて重要です。
さらに、AIツールは再生可能エネルギーの生産と、太陽光発電所や風力発電所のようなクリーンエネルギー源の効率を最適化するのにも役立ちます。AIは、エネルギーの生成パターンを予測し、貯蔵を最適化することで、無駄を減らしながら再生可能な資源を最大限に利用するのに貢献しています。人間の努力だけでは達成できないスケールとスピードを提供するAIは、核融合エネルギー研究の推進から、干ばつに見舞われやすい地域での水管理の最適化に至る地球規模の課題への取り組み方に革命をもたらし、ゆくゆくは世界中の人々の生活の質と持続可能性を向上させる潜在力を秘めています。
これらの例から、信頼性の高いAIの持続的な成長は社会にとって不可欠であり、SeagateのMozaic 3+のような最先端ストレージ・テクノロジーを利用してこの成長を支えることが非常に重要である理由がわかるはずです。膨大な量のデータを処理、分析、保存する能力は、こうした飛躍的な進歩を達成するための基盤になります。
AIワークロードが急増したことで、データ・センターはストレージ・インフラストラクチャの見直しを迫られています。従来のストレージ・システムでは、AIの進化する要求に追いつけなくなってきています。課題は、大容量化からリアルタイム・データ・アクセス、パフォーマンスの最適化、システムの拡張性、コスト効率、持続可能性まで多岐に渡っています。SeagateのMozaic 3+技術を搭載したハードディスク・ドライブは、業界をリードする記録密度を提供して、多様なAIワークロードを効率的に処理するための拡張可能なストレージ・アーキテクチャの基盤を形成し、AIからの増大するニーズに対応するスケールアップ/スケールアウト可能な幅広いソリューションを実現します。
Mozaic 3+：記録密度の革命。
Mozaic 3+技術は、記録密度（ハードディスク・ドライブ・プラッタ1枚あたりに保存できるデータ量）を大幅に向上させる画期的なイノベーションです。Seagateはプラッタあたり3TB以上（まもなく4TB以上および5TB以上に拡張予定）を提供する唯一のハードディスク・ドライブ・メーカーであり、Mozaic 3+は大きな飛躍をもたらしました。この技術は、先進的なスピントロニック・リーダー、プラズモニック・ライター、ナノフォトニック・レーザー・テクノロジーといった業界初のイノベーションを基盤とするSeagate独自のHAMRテクノロジー実装を活用することで、同じ物理設置面積内でのデータ・センターの容量を3倍にし、総所有コスト (TCO) および持続可能性を最適化します。
Mozaic 3+は、エネルギー効率が強化されており、従来のハードディスク・ドライブと比較してテラバイトあたりの電力使用量を62%削減します。Seagate Exos Mozaic 3+ 30TBドライブは、データ・センターでリプレースされる一般的な10TBドライブと比較して、具現化カーボンを71.7%削減しますので、テラバイトあたりの具現化カーボンに関しては3.5倍効率性に優れています。このことで、運営コストを削減できるだけでなく、業界全体にわたる持続可能性を重視する姿勢と足並みを揃えることもできます。同じ量のデータを保存するために必要なドライブの数が少なくて済むため、データ・センターで必要な物理的なスペースと電力が低減されるほか、企業の二酸化炭素排出量の削減にも貢献します。
Mozaic 3+を支える科学と技術の飛躍的な進歩。
Mozaic 3+は、ナノテクノロジー、フォトニクス、量子力学における数十年にわたる研究の末に誕生しました。Seagate独自の熱補助型磁気記録 (HAMR) テクノロジー実装を基盤とするMozaic 3+は、材料科学と熱管理の飛躍的な進歩を通じて業界最高レベルの記録密度を達成しました。超格子プラチナ合金メディア、プラズモニック書込みプロセス、量子ベースのスピントロニック・リーダーの使用により、Mozaic 3+は従来のストレージの限界を超え、これまでにないストレージ密度と効率を実現します。
Mozaic 3+で使用されているナノフォトニック・レーザー技術は、ディスクの極めて正確な領域にエネルギーを集中させ、記録メディアの温度を数ナノ秒で華氏800度以上に上昇させます（その後即座に冷却します）。これにより、周囲のデータに影響を与えずに、磁気コア書込みヘッドによってデータを記録することが可能になります。Seagateによる高度な熱管理システムの統合を通じて、プロセス全体の安定性と効率性が維持され、エラーが最小限に抑えられ、全体的なパフォーマンスが高まります。
高密度に記録されたデータを取り出すために、Seagateは磁化のわずかな変化を検出できる量子ベースの磁場センサーである第7世代スピントロニック・リーダーを導入しました。これにより、高密度トラックからでも信頼性の高いデータ検索が可能になり、隣接するデータ・ビット間の干渉が減少します。
このような進歩を遂げたSeagateのMozaic 3+技術は、ストレージ容量における重要なブレークスルーであるだけでなく、エネルギー効率、パフォーマンス、拡張性にも大きな変革をもたらしています。これらの領域は、AIワークロードの進化に対応しながらTCOの最適化を目指すデータ・センターにとって鍵となっています。
AIの飛躍的成長をサポート。
AIが膨大なデータセットに依存することは諸刃の剣と言えます。データはAIの生命線ですが、その膨大なボリュームは従来のストレージ・インフラストラクチャを圧倒する可能性があるからです。より少ない物理スペースでより多くのデータを保存できるMozaic 3+ドライブによって、データ・センターは大規模なインフラストラクチャの見直しを必要とせずに、AI機能を拡張することができます。
AIデータセットの急激な増加に拍車をかけているAIトレーニングの重要な要素の1つがチェックポイントです。チェックポイントは、いわばAIトレーニングモデルの状態の反復的なスナップショットで、トレーニング・プロセスの正確性と説明責任を確保するために定期的に保存されます。大規模言語モデル (LLM) のトレーニングなどの大規模なAIワークロードでは、チェックポイントは1分ごとにSSDに保存され（各チェックポイントは新しいチェックポイントで上書きされます）、約5分ごとに長期保存用ハードディスク・ドライブ・ストレージに保存されます（各チェックポイントは少なくともモデルのトレーニング期間中は保存されます）。このプロセスは、AIモデルの信頼性の保証に役立ちます。これらのチェックポイントは、モデルのトレーニング進行の検証可能な記録として機能し、AI出力の妥当性と信頼性を保証するからです。
信頼性の高いAIは、透明性、安全性、説明責任を基盤に構築されます。データのリネージ、チェックポイント処理、そして安全な長期ストレージにより、AIシステムは監査可能、法規制遵守、そして説明可能な状態を維持することができます。Mozaic 3+ハードディスク・ドライブは、最も効率的な大容量ストレージがこれらのワークフローをサポートするために必要な高い記録密度を提供することで、AIトレーニングに使用される未加工データと、AIモデルによって生成される結果両方の信頼性を確保します。
さらに、動画、画像、3Dデータといったリッチ・メディア・コンテンツ処理へのAIのシフトが進んでいるため、大容量と高性能の両方を提供するストレージ・ソリューションの需要が高まっています。Mozaic 3+を搭載したSeagateのExosドライブは、このような大規模な非構造化データセットの保存とアクセスに必要な拡張性、信頼性、効率性を提供するのに特に適しています。
AI向けに最適化されたストレージの将来。
Seagateは将来を見据え、Mozaicプラットフォームの将来の革新的機能の開発にすでに着手しており、プラッタあたり4TBを超える密度を近い将来に実現する予定で、プラッタあたり5TBを超える密度も開発中です。この継続的なイノベーションのおかげで、Seagateはデータ・ストレージ業界の最前線に立ち続けており、AI主導型データ・センターの増大を続ける需要に対応する準備を整えています。
進化し続けるAIとともに、SeagateのMozaic 3+技術は進化を重ねていきます。そして将来のAI環境の要求に応えながら、人類が最大の課題に取り組むのにも役立つ機能を備えたデータ・ストレージ・インフラストラクチャを提供していきます。目的がデータ・センターの拡張性と効率性の強化でも、リアルタイムでのAI主導の意思決定の最適化でも、AIイノベーションを推進するリッチ・メディア・コンテンツのサポートでも、Mozaic 3+を利用することこそが、今日の世界でAIの潜在力を最大限に引き出す鍵となります。
